動画・解説・クイズ。

お勧めのTV番組はセレブログ。こんにちは,ゆかしです。


今回の日記では動画をUPしています。
一部で名勝負と噂された,WCG2005日本最終予選・トーナメント2回戦/闇マゲンフー vs. ゆかしハヤブサです。


ココをクリックで動画ペイジへ。


ただ動画をアップしただけではツマらないので,これから詳しく解説します。(軽くは以前 書いたけど
と言っても 闇マくんの行動を解説しようとすると どうしても推測になってしまうので,主にゆかしの行動理由について書いていきます。
だからこれ以降,主語が書かれていない文章は ゆかし(ハヤブサ)について言及しているモノと思って下さい。

全体の方針。

さて,ステイジは雪山で 全面スリップゾーン
スリップでの近距離戦は危険値が高すぎるので,できれば中距離メインで戦いたい。
その中距離での方針は,ゲンフーに技を空振りさせて 雷震撃[66P]で斬り込む or 2択をかける事。スリップでのゲンフー白蛇が凶悪なので,それを空振りさせたい。そして下段投げで確反
なので白蛇が届かない間合い……大体2.5mを絶対防衛ラインにして戦う。とは言え 常に2.5mを維持し続けると 当然白蛇をうってくる訳がないんだから意味がない。つまり,絶対防衛ラインに出たり入ったり,常に2.5mを跨ぎながら戦うことになる。


ちなみに,スリップゾーンだから 2.5m。平地であれば 白蛇は怖くないので,もう半歩くらい近い間合いが良い。2mくらいになる。

第1ラウンド。

キャラ選択から対戦画面に切り替わった瞬間,「おい!」ってシャウトが聞こえてきますが,これはスリップゾーンに絶望した ゆかしの呪詛です(笑)。


ゆかし・闇マくん共に 中間距離で細かい前後ステップをしています。このステップは アーケイド版DOAでは非常に効果的な技術で それなりに使い手が居たんですが,Xbox版では仕様変化で弱体化,使い手が激減。3〜4人しか使っていません。云わば失われた技術なんですが,この動画では2人とも使っています。そーゆー意味でもレアw

開幕。

対戦開始後の1stヒットは,挑領をかわしての雷震撃。先ほど"全体の方針"で説明したのは,つまりこーゆー事です。ちなみにこの直後 画面が切り替わって見えませんが,闇マ君にホールドされています(笑)。

残りタイム50秒。

ゲンフーの下段クリティカルからの中Kを ホールドします。この時 後ろのギャラリーから「おおっ!?」って意外そうな声が聞こえてきました。ゲンフーの主力は中Pで,裏の選択肢であるハズの中Kをホールドしたから,その様な声が上がったのでしょう。コレについて解説です。


下段キックからの挑領[中P]は予備動作なしで出すことが出来,その後のコンボダメージも含めてゲンフーの第一希望。ただし中Pホールドが強力なハヤブサに対してはダメージ効率が落ちる。
上段ホールドは選択肢として薄いし,それは捨てた。
もちろんゲンフーが投げにきていた場合は 死に確なわけだが,第一ラウンドの最初のクリティカルから投げにくる訳がないと判断。
そう考え,中Kホールドを選択。

残り43秒。

ゲンフー近接状態からの6PPを,バックFSで紙一重でかわし,確定雷震撃
これです! これが前述のステップの真骨頂。
ちなみに かわしたのを確認してから雷震撃を入力しても間に合いません。6PPを避けている時には,既に66コマンドを完成させています。


この直後 裏周りを敢行する訳ですが,あまりにも完璧なタイミングで決まった為,逆にキョドりましたねw 修行不足。


その後 コンボを決めてこのラウンドを獲るんですが,ラウンド中〜終盤(残りタイム45秒頃と,残り35秒頃)に フリーステップで軸移動しているのが判ると思います。コレ以降のラウンドでも,よく見れば 前後移動だけでなく 手前〜奥にも細かく移動している事がわかる筈です。(ゆかしだけでなく 闇マくんも)
これは相手を壁を追い詰めるために,或いは 自分が広い空間を背にして戦う為のポジショニングで,DOAの基本です。

第2ラウンド。

このラウンドは比較的あっさりと獲られてしまうけど,細かい技術的に見るべきものが少しだけあります。

開幕。

まず1stコンタクトでの 闇マくんの3PP打ち切り。
これは普段の闇マくんから考えれば ”ない”行動なので,喰らってしまいました。

残りタイム53秒。

ここで起き上がりキックを当てるのですが,意図的に 起き上がるのを遅らせています。(微妙ですが)
これはタイミングをずらす為と,考える時間を与える(迷わせる)為です。これが功を奏したのかは不明ですが,起き上がり下段キックを ほぼ密着で当てる事に成功します。


この起き上がり下段キックから鬼菱[立ち途中K]を当てるのですが,これは得意技です。(スリップゾーン限定)
なぜスリップゾーン限定なのかは,コチラの脚ヤラレの項を参照で。


その後の空中コンボは手堅くサマーで締めたのですが,いま改めて見返したら破突連翔[6PKK]が入りそうですね。この判断は難しいところ。

残りタイム42秒。

闇マくんの壁攻め,下段蹴りをガード成功。
実はこれには秘密が隠されていて,この時のガード成功はしゃがみ復帰からのニュートラル起きという ゆかしの必殺技によるものです。(地味!)
この技術に関しては長くなるので割愛しますが,まぁ立ち投げをよけ,下段はガード,中段もガードできると云う ファジィみたいなモノです。


つまり下段蹴りを読みきってガードした訳ではないので,確反は入れられませんでした。取りあえず立ちP。
ここで特筆すべきなのは,闇マくんがガードされた後 しっかりと防御行動を採っている事でしょう。スリップ上での下段打撃後は 入れ込み打撃に陥りやすいんですが,ちゃんと確認しています。この辺りが一流か そうでないかの差でしょう。流石。

残りタイム37秒。

先程と同じ状況。ただし今回は 投げをよけました。
これ位であれば シッカリ確反できます。

第3ラウンド。

開幕。

昇旋刀[3P]をあてた後の選択肢は,遅らせの鬼菱
これは冷静かつ裏をかいた選択肢だと思ったんですが,闇マくんは最速ホールドで回避→確反。これには完璧にヤられました。素晴らしい。
なんとなくホールドを漏らした様にも見えるんですが,これは微妙なトコロで何とも言えません(笑)。

残りタイム48秒。

ここで第2ラウンド開幕と同じく,闇マくんは3PPを打ち切り。やはり喰らってしまいました。


さてその後のコンボで崖下に落とされてしまう訳ですが,これは その前のポジションプレイで防ぐ事も可能でした。
では防がなかったのはミスなのかと云うと,これは微妙なところ。
崖がある箇所以外の三方向には があるので,コチラだとキツい壁攻めを喰らってしまうからです。
つまり壁を選ぶか 崖を選ぶか。この選択は 各プレイヤによって,大きく判断が分かれるところだと思います。


ちなみに落とされてしまった時,(もちろん崖ダメージは痛いですが)さほど焦っていませんでした。
狭い崖上より,まだ崖下で戦う方がマシだったからです。(って云うか 早く崖下で勝負したかった)

残りタイム39秒。

ここでゲンフー3Pをガードした後,固まっています。
闇マ君の 2回の3PP打ち切りが 見事に抑止力として 功を奏しているわけです。

残りタイム35秒。

をガードした後 挑領を打ってくる闇マくんもクールだし,突然の挑領に確反する ゆかしも集中しています。
ここら辺りの一連の攻防は 観ていて面白いところです。

残りタイム32秒〜27秒にかけて。

ここでクリティカルからのコンボを2回成功させます。
1回目は肘から覇幻昇脚[上段],2回目は肘〜膝です。何気なく打っている様に見えますが,1回目が当ったことを踏まえて,つまり闇マ君がすぐさま対応してくる事を見越して打っています。

残りタイム25秒。

ここで飛鳥返し[三角跳び]。
これを出した意味は,ゲンフーを壁側に追い詰める為です。フリーステップで移動するよりも 高速かつ安全に追い詰めることができます。


ただしこの時,壁が湾曲していた為 さほど移動距離を稼ぐことができず,追い詰めるという目的は果たせませんでした。
そしてここから,お互いに残り一撃を競い合う,アツい展開に移行します。

残りタイム17秒。

ここでゆかしは さりげなくソニックサマーを見せますw
ソニックサマーの元ネタは 言うまでもなく某米空軍少佐(嫌いなものは日本でリュウに食わされた納豆)なんですが,解説しておきましょう。


中間距離で 生投げをわざと空振りさせ相手を誘い,サマーで相手を斬る。ゆかしが当時 思いつき,使い始めたばかりの戦術。
生投げとコマンド投げの見た目は殆ど変わらないが,硬直を較べると5〜10フレイム短い。その事を利用し,対戦相手に大きな隙と誤認させ,サマーで斬る,後の先の技。


さあ,これに対しての闇マくんの選択は 我慢
そして 白蛇。これには完全にしてやられました。今までまったく見せなかった白蛇を ココで使われるとは。虚を突かれましたね。


ただ この局面でソニックサマーとかやる方が狂っているよな(笑)。

第4ラウンド。

このラウンドは無茶苦茶おもしろいです。
見るべき所がたくさん。

開幕。

ミドルキックを出していますが,軽率すぎますね。今回の対戦の中で唯一,動機が不明な行動です。
その後 闇マくんが雲閉コンボを失敗しちゃうんですが,これはオンライン慣れのせいだと思います。

残りタイム52秒。

ゲンフーの立ちP〜投げに対し,冷静に 肘膝割っていますね。
さっきのミドルを見た時にはどうなる事かと思いましたが,まだ大丈夫なようですw

残りタイム47秒。

雷震撃をガードされた後,ホールド飯綱で反撃を封じ込めます。こちらはこのタイミングで切り札を出しました。
一時期 ゆかしの代名詞的に語られた確定ホールドってヤツですね。

残りタイム39秒。

ここで手前に1歩半,フリーステップをしています。
むちゃくちゃ地味ですが,今回の動画で 我ながら最も感心したポイントです。


フリーステップした理由は,この直後 画面がスクロウルした際に明らかになります。
ハヤブサのすぐ奥に氷柱が現れたのが判るはずです(残り35秒くらいで)。先ほどの場所に留まっていたら,この柱に追い込まれていた事でしょう。


つまり残りタイム39秒の段階で,未だ画面の外にある氷柱を”見ていた”事になります。
・・・ヲタパワー。

残りタイム37秒。

細かいステップでゲンフーの打撃をよけ 投げで確定反撃!……のハズだったんですが,スカってます。何故ならゲンフーの打撃は33Pなので,正解は下段投げだから。
ここで下段投げを決めていたらDOA神なんだけどね(笑)。


けど,センプウジンを背中側にさけて下段投げ,とかをしていたんだから,この場合でも出来なくはないよな。<バーチャの話

残りタイム35秒。

ゲンフーの6PPをガード後,ハヤブサは固まっています。
序盤の3PP打ち切りが ここまで影響を及ぼしている事が判りますね。

残りタイム28秒。

今回の対戦でイチバンのポイント。逆2択舞錐[236K]。
ギャラリーの「お〜」って声が聞こえてきますが,これはこの舞錐の意味の判った人があげた声でしょう。では解説。


通常,ハヤブサが暴れの時に使う打撃は 判定の強い裂空砲[3P+K]か 発生の速い。この2つなら相手の打撃にも対応できるからである。
それに較べて舞錐は 発生は遅く判定も弱いので,対打撃には使えず,対投げ一点読みの時のみにしか使えない。
しかし舞錐にも利点があり,それは与ダメージの高さ。裂空砲の20dmに較べ,舞錐は34dmである。投げを潰した場合にはハイカウンタボーナス(1.5倍)が付くので,裂空砲は30dm,舞錐は51dmになる。上下21ダメージも差がつくのである。
つまり相手の投げを完璧に読んだ場合には,舞錐がもっとも優れた選択肢になるのである。


そんな訳で 舞錐を選択した訳です。
実際 今回のケイスでは舞錐からのコンボで止めを刺せたんですが,裂空砲だとゲンフーの体力は微妙に残ったハズです。
もし僕がギャラリーの女の子だったら惚れてますねw モテ。

第5ラウンド。

もつれたこの試合,いよいよ最終ラウンドです。

開幕。

ファジィからの肘が我龍閃に化け,しかもソレが当たっちゃいました。これは本当に申し訳なかった

残りタイム45秒。

前ラウンドとは逆で,今度はハヤブサ立ちP連繋に対し,ゲンフーが冷静にで割っています。
よく「P投げとか強すぎ」とか言う人がいますが,それが的を射ていない世迷言である事が判りますね。

残りタイム43秒。

ラスト,ホールド裂光飯綱のシーンです。
以前にも書いたかと思うんですが,この時 飯綱落しではなく空中コンボを選択しました。それに際して「飯綱じゃなくてコンボに行ったのは何故ですか?」マジャール君に訊かれました。以下が,その答えと解説です。


ホールド成功した瞬間,まず最初の行動は (ハイ)カウンタか否かの確認です。
ここでノーマル(非カウンタ)である事を確認し,その次の行動は 相手体力の確認。この時80以下であれば飯綱落しで止めを刺せますし,81以上であれば空中コンボでダメージを稼ぎます。マジャール君の質問はソレを踏まえた上でのものですね。


なのですが,この時ゲンフーの体力が80以下かどうかが判りませんでした(笑)。何故なら,この時 対戦に使っていたモニタがワイドモニタ(16:9)だったからです。普段は家庭用のTV(4:3)で遊んでいたので,横長になっている体力ゲイジだと80が判別できなかったのです。
まさか最後にこんなメタデンジャゾーンがあるとは 夢にも思いませんでした(笑)。


で,ホールドを獲ってから打ち上げるまでの一瞬の間に かなり迷ったのですが,空間把握で背後に壁がある事はすぐに判ったので,空中コンボを選択しました。
壁さえあれば,少々コンボを失敗してもダメージを稼げますからね。(仮に,天突き×2〜サマーであっても,dm78+壁攻め,になる)

解説終えて。and Quiz。

以上で,動画の対戦中での,思考のトレイスは終了です。
当初 考えていたよりも,かなり長くなってしまいました。途中,ホントに終わるのかと投げ出したくなりましたしw
これでも幾つか端折った箇所があるんですけどね。


さて,ここでクイズです。
この記事の最初の方で,ポジショニングはDOAの基本と書きました。
ゆかし理論のひとつに,フリーステップでの軸移動は手前が基本,って云うものがあります。
特に,この対戦中に限って言えば,100%手前移動で賄っています。(今 観かえして自分でも驚きました)


さて,なぜ手前移動が基本なのでしょう?
正解者には何かあげますw
すべての行動には,理由があります。